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木の活動賞「かしも木匠塾」

2018年6月6日(水)  

NPO木の建築フォラムが主催する第13回木の建築賞で、中島工務店の活動かしも木匠塾が「木の活動賞」と「メンバーズチョイス賞」を受賞しまして、先日表彰式に出席しました。

180603-木の建築賞表彰式

応募内容の方針や骨組みは私が立案しましたが、取材と文章構成は社内ライターが、二次選考の発表は実際にかしも木匠塾を指導しているUC君が、そして三次選考の現地審査は私と社寺部のジュン君が担当しての、会社ぐるみのリレーによる受賞です。思い起こせば4年前の第9回木の建築賞では私一人で四苦八苦していました。この4年でずいぶんと役者が揃って来た感があります。

表彰式には私如きが登壇させてもらい、スピーチまで披露しました(甚だ練習不足でしたが)。二次選考の10分の発表を4分程度にまとめたスピーチに「かしも木匠塾」の受賞内容がほどよく集約されていますので、この場でご紹介したいと思います。

【ここからスピーチ】

「かしも木匠塾」は、建築専攻の大学生が林産地で自然や地域に溶け込みながら木造建築を学ぶという活動で、今年で23年目を迎えます。工務店である中島工務店が、なぜ長きに渡りこの活動に力を注いできたのかを、木造建築に関わる皆様がお集まりのこの機会に、改めてお話しできればと思います。

170814-かしも木匠塾開校式2017

その背景には「木造建築の振興なくして、木材産業の振興はない」という想いがあります。中島工務店の本社がある岐阜県中津川市加子母は、約115平方キロメートルの面積の93%が山林であり、住民の多くが山を所有しているという林産地です。しかしながら、皆様もよくご存じの通り、1970年代以降安価な輸入材との競争の中で日本の林業は衰退の一途を辿っています。加子母も例外ではありません。その中で、なんとか地域を守っていきたいという志のもと、私達は「産直住宅」に取り組み始めました。

産直住宅とは、地域の木材を地域で加工し、中間流通を省いて直接お客様にお届けし、地域の大工職人が建てる家づくりです。どれほど良質な木材を産出しても、使ってもらえなくては木材産業の振興にはつながりません。そこで林業の出口である木造建築に力を注ぐことを決めました。その同じ想いがかしも木匠塾の活動にもつながっています。

木匠塾を設立したのは1990年代のはじめ、私達と同じように木造建築と木材産業の未来を憂えていた大学の先生方でした。当時木造建築を扱う大学はほとんどなく、木造建築の技術や文化の継承が課題となっていました。そこで建築の未来を担う建築学科の学生たちに森林・木材・木造建築を伝えようと始まったのが木匠塾です。

1991年、かしも木匠塾の前身である「飛騨高山木匠塾」が開校しました。そして1995年、開催地を加子母に移しかしも木匠塾が開校しました。設立から深くかかわっていた林野庁営林署の方と中島工務店社長が設立の中心となり、以来中島社長が木匠塾の実行委員長を務めています。山深い高山から木材関連産業が集積した加子母に移ったことにより、行政や工務店との連携が進んでいきました。今年で23年目を迎え、これまでの参加者は延べ4,300人にのぼります。

23年という年月の中で、学生達が木匠塾を自主運営する伝統ができ、「施主制度」という地域住民が制作物を依頼する仕組みができました。また林産地体験を通じて、地域との交流も深まってきました。今では加子母の住民も、毎年夏にやってくる学生達と会うのを楽しみにしています。

「第13回木の建築賞」に応募するにあたり、工務店がこのような活動に力を入れてきたことの意義を再確認しました。かしも木匠塾は森林・木材・木造建築が加子母の基幹産業であることを深く認識し、これからどのように発展していけばよいかを考える道しるべとなっていると実感しました。加子母の記憶を心に刻んだたくさんのOB・OGが全国の工務店、ゼネコン、設計事務所、大学などに広がっています。かしも木匠塾が始まった頃を思い返すと、これは木造建築・木材産業の未来への大きな布石だといえます。

木匠塾でつながった人達が、その力を持ち寄って次の世代を育てていく。林産地・加子母のために、そして全国に数ある同じような地域のために、今回の受賞を糧にしてこれからもかしも木匠塾の活動に取り組み続けたいと思います。

中島 大地

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