一昨日の話。辻充孝准教授の引率で岐阜県立森林文化アカデミーの2年生20名と講師陣4名の計24名が、加子母が育む"完結型林業"を見学にいらっしゃいました。"完結型林業"とは、森林資源を守り育て、製材・乾燥、構造材・造作材加工、設計・施工を同一地域で一貫して行う取り組みで、加子母は全国でも数少ない実例です。
今回の加子母ツアーは、2年程前に大規模改修を終えた「かしも明治座」からスタート。加藤さんと須崎さんがご案内下さいました。"完結型林業"とは少し離れますが、地域に根付く木造文化の象徴です。ちなみに明治座では6月11・12日にクラシックコンサートが開催されます。

続いて加子母森林組合。安江参事が直々に取り組みの全容をご紹介下さいました。週末に市があったばかりで、これから順次木材が搬出されます。

「ふれあいのやかたかしも」で手早く昼食を済ませ、安藤忠雄氏設計の「ふれあいコミュニティセンター」を駆け足で見学。定位置で記念写真を。

続いて(有)マルワイ製材所。中島工務店が使用する木材のほとんどを供給している製材所です。公私ともに兄貴分のマルワイマンが製材所の役割を説明してくれました。目の前で製材されたばかりの木材に学生さんは興味深々。

木材乾燥状況の見学。2年程前に導入した灯油と薪を併用する高温乾燥機を、森林文化アカデミー卒業生の近藤君が説明してくれました。

(協)東濃ひのきの家プレカット工場では中島社長が地域ぐるみの取り組みを熱弁。

工場案内はCADリーダーの中田さん。

今井君による超仕上げ実演。桧の香りがする鉋屑に感動のご様子。

造作工場に移動。案内は工場リーダーの駒田君。

加子母ツアーの最後の見学先は、社寺工場。加納棟梁のお話は数十回聴いている私もいまだに感銘を受けます。

口数の少ない田口棟梁。

限られた時間の中で駆け足気味の加子母ツアーでした。割愛した見学先も多々ありましたが、それでも予定時間を大幅に超えてしまいました。加子母はアカデミーから車で1.5時間、キャンパスのようなものです。気軽にまた遊びに来て下さい。

加子母ツアーでは、それぞれの見学先にそれぞれの専門家がいます。私の役割はお客様を加子母に招くことで、あとは専門家の話を私も一緒に聴きながら勉強します。これが"完結型林業"での私達工務店の役回りでもあります。あとは写真係を少々と。
中島 大地