FC2ブログ

ブログトップ > アーカイブ - 2009年06月

「長期優良住宅促進法」施行、遂に

2009年6月5日(金)

昨晩ニュースを見ていると、ちょうど施行された「長期優良住宅促進法」の話題が取り上げられてました。今まであまりTV等では触れられていなかった話題ですが、さすがに施行する日ぐらいはTVも取り上げるようです。

そのニュースの中で、どちら様か存じませんが一見何かしらのオーソリティーといった方が、「200年住宅と言っても、少子化の日本の200年後は人口8千万人程度になり、そんな頃には建物が余ってしまうので、この法律には問題がある」のようなことをおっしゃってました。

実はこれ、洞爺湖サミットの直後に頻繁に聞いた議論なんです。洞爺湖サミットと言えば、当時の首相福田さんが"エコサミット"として力を入れていたサミット。私の中では福田元首相の印象の全てが洞爺湖サミットかも知れません。

洞爺湖サミットで福田元首相が長寿命住宅を「200年住宅」と称しました。これは国民に非常に分かり易いネーミングでしたが、住宅建築関係者にしてみれば「そんな簡単に200年なんて言わないで...」と言った感じでした。

それ以来議論の末、結局具体的にはせいぜい100年程度の寿命を想定するに落ち着きました。「メンテナンスや改修工事の履歴を整備し、200年後にも資産価値のある住宅にしよう」というのが、200年住宅の本当の精神です。

ニュースに出演していらっしゃった方々は、「やはり高齢化問題が鍵ですね」のように話をまとめていましたが、施行日だから申し訳程度に取り上げておこう、といった雰囲気を隠しきれてませんでしたね。

世間的にはそうかもしれませんが、住宅建築業界にいる私達には本当に重要な問題なんです。又これから住まいづくりをお考えの方々も知っておいた方が良いと思います。そこで「長期優良住宅」について、サラッと紹介します。あくまでもサラッと。

この法律のスローガンは「良い住宅を造って、きちんと手入れし、長く大切に住まう」です。その背景には、例えばアメリカの住宅の平均寿命が100年強、イギリスのそれが140年強に比べ、日本では30年程度で、それが地球環境の負荷になっていること、そして新築におけるローン負担が、本来あるべき日本人の生活の潤いを奪っている、という事実があります。

具体的にはどんな法律なんでしょう。以前からあります「住宅性能表示制度」によって定義された以下の性能を用いて、「良い住宅」に対し国が明確な基準を設けました。劣化対策、耐震性・維持管理の容易性、省エネ性、居住環境、住戸面積です。それぞれの項目に等級が定めてあり、それらを上回る性能が必要です。

これらのソフト面に加え、「維持保全計画」があります。これが「長期優良住宅」を支える肝の部分です。これからの住宅は「造る」だけでなく「守る」ことまで含めて重要であるということです。定期点検・補修に関する計画をし、その履歴を残すこと。私達工務店の立場からすると、「末永いお付き合い」が今後の建築業界のスタンダードになるということです。

ではこの「長期優良住宅」は、建て主さんにはどのようなメリットがあるのでしょうか。まずは新築時に多少余分に費用を掛け長寿命な住宅を造り、次世代へ残して行くことで、建築費用を節約することができることでしょうね。もちろん断熱性能も高いので光熱費も省けるわけです。

「ハイハイ、分かった、分かった、それでそれ以外にもっと即効性のあるメリットは?」と聞こえてきそうです。それは、ローン減税、投資型減税、登録免許税、不動産取得税控除、固定資産税です。

これらのメリットは非常に分かり難い。そしてチョット誤解を招きやすい。例えば「最大600万円のローン控除」なんて広告が踊っていますが、あくまでも計算上の最大控除額でしかなく、非常に現実味のない話です。現実的には一般住宅における控除率1.0%が、認定長期優良住宅では1.2%になるということです。

ローンでも、フラット35Sにおいて認定長期優良住宅では金利が0.3%引き下げられる、期間が当初の10年から20年に延長される、などの優遇策がくっついてきます。

これらの小ネタを全てを使ったとしても、一般住宅仕様の住宅を「長期優良住宅」仕様にアップグレードした分の差額を相殺することはもちろんできません。あくまでも先ずは「良い家自体がメリット」と思って頂かなければなりません。

これらの優遇策自体では、住まいづくりをお考えの方々に「長期優良住宅を建てよう」と思わせることができるかは疑問です。一般消費者に対しそのメリットが分かり難いまま始まってしまった法律という感じはどうしても否めませんね。まだまだ今後改定されて行くような気がしますが、今のところこんな感じです。

結局長くなってしまった...

中島 大地

profile

terrajapan

Author:terrajapan
1974年9月20日生まれ
寅年・乙女座・O型

entry
comment
trackback
archive
category
未分類 (1)
自分 (168)
家族 (311)
映画 (62)
(株)中島工務店 (209)
住宅建築 (410)
社寺建築 (28)
公共建築 (13)
プロジェクトLK (29)
ガンダム (134)
NBA (100)
蕎麦 (47)
地域 (289)
ブログ (9)
食べ物 (238)
basketball (25)
スポーツ (37)
太陽光発電 (6)
TKD様店舗 (14)
愛宕Ark (5)
旅行記 (11)
Thousand Miles (4)
リニア (7)
講習 (80)
台湾旅行記2009 (3)
香港旅行記2009 (4)
台湾旅行記2009-2010 (6)
台湾旅行記2010 (5)
台湾旅行記2011 (4)
台湾旅行記2011-2012 (8)
台湾旅行記2012-2013 (11)
MT様社長棟 (5)
新住協 (27)
SAREX (9)
ごとむし庵 (7)
小熊作品展 (84)
小熊語録 (7)
WOOD AC (7)
LK+ (21)
木KEYPoint (39)
漫画 (25)
地球の会 (15)
プロジェクトARK (69)
エコアイデア (8)
舞台峠うまいもん祭り (85)
商工会 (59)
かしも山歩倶楽部 (17)
沢渡の家 (4)
LK-GALLERY (10)
台湾旅行記2013-2014 (11)
加子母むらづくり協議会 (5)
中津川法人会 (3)
ドイツパッシブハウス世界大会視察研修 (7)
物・愛HAUS (7)
ガジェット (112)
国立台湾科技大学日式木作工作営 (5)
柏屋holz (4)
中島とつくる家 (23)
台湾旅行記2014-2015 (17)
なぜか上海2015 (5)
養老の家 (32)
咲湊ヴィラ (8)
台湾旅行記2015-2016 (13)
JBN (6)
Project "Kashimo Studio" (9)
韓国木造建築視察研修2016 (2)
内装木質化 (5)
Woodism (23)
Come On A-Yoro House (19)
青い山脈の町未来創生会議ドイツ視察ツアー2016 (13)
音楽 (23)
台湾旅行記2016-2017 (8)
本 (6)
なぜか台湾2017 (5)
その他 (7)
木材利用 (4)
文化 (1)
台湾木材産業調査2017 (8)
台湾旅行記2017-2018 (9)
アニメ (13)
かしも木匠塾 (26)
プロジェクトTERRA (1)
安全パトロール (11)
なぜか韓国2018 (2)
台湾TDMC常設展示 (5)
台湾旅行記2018-2019 (7)
加子母PTA会長 (40)
美乃坂本モデルハウス「knot」 (1)
user
form
rss
link
qrcode
QRコード
copyright
Author by terrajapan

Designed by マンゴスチンw

for what it's worth