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都市の木質化国際会議2017

2017年11月7日(火) 〇  

すっかり時間が経ってしまいましたが、去る10月28日・29日・30日の3日間で開催された都市の木質化国際会議2017に出席しました。名古屋大学農学部の佐々木教授と山崎准教授が月一開催している実務者講習「都市の木質化セミナー」の第4・5・6回です。昨年12月には韓国忠南大学の姜教授の陣頭指揮の元、韓国仁川でInternational Woodism-City Conference & Festival (IWCC&F)が開催されましたが、今回の講座はその第2回としての位置付けもあり、韓国からもたくさんの方々が参加しました。

171028-都市木国際会議2017

一日目と二日目の会場は、隔年開催の「日本木工機械展」が開催されているポートメッセなごや。一日目、大手メーカー飯田さんよりプレカット加工機の概論の後、木工機械展を見学。約10カ所の展示ブースを解説付きで見学しました。中島工務店のプレカット工場や造作工場でも使っているメーカーも出展していました。会場はどこも写真撮影禁止でした。悪しからず。

二日目は基調講演。まずは法政大学デザイン工学部の網野禎昭教授による「ヨーロッパの木造建築から木と建築と社会を考える」。続いて、韓国ウルサン大学のバエ・キチョル教授による「木の文化の復興に向けた建築空間」。そして午後は2コマぶち抜きで、耐火の大家(軽くダジャレ)安井昇先生による「都市の木質化と防耐火設計」。それぞれの分野の第一人者によるお話は学びに溢れていました。

171029-都市木国際会議2017

三日日、70名を超える参加者がチャーターバス2台に分乗し大阪へ。大型木造建築の大阪木材仲買会館を拝見しました。竹中工務店の設計・施工による地上3階建て、延床面積1,093㎡の耐火建築物です。

171030-大阪木材仲買会館01

1階部分及び2・3階の床版は鉄筋コンクリート造。気持ちの良いRCのシャープな納まり。

171030-大阪木材仲買会館03

エントランスは3階までの吹き抜け。

171030-大阪木材仲買会館05

吹き抜けにはシャープな鉄骨階段。

171030-大阪木材仲買会館04

3階にある大会議室。竹中工務店が開発した燃エンウッド®の柱と梁が2.7m毎に配されて、その室内のデザインの中心を成しています。仕上げとして見えてくる集成材の梁の上にコンクリートスラブを打設する際に、化粧部分を汚さないようにするために、数通りのサンプルを作って実験したそうです。こだわりのレベルはさすが竹中です。

171030-大阪木材仲買会館06

ベランダ。この緩やかな湾曲を作るのがどれだけ大変なことか。

171030-大阪木材仲買会館07

桧のデザイン壁。内装に使われている木質部材は極力不燃処理に頼らず、燃焼実験で性能を検証して木本来の木肌や香りを活かしたそうです。

171030-大阪木材仲買会館09

こちらは集成材のフィンガージョイントで作ったデザイン壁。説明を受けなければこれがフィンガージョイントとは気付かないでしょう。

171030-大阪木材仲買会館10

桧の壁板は、一枚一枚働き幅が違う上黒色の底目地が添えてあります。ちょっとの工夫でお洒落具合が増します。

171030-大阪木材仲買会館11

これがこの建物の木構造の柱と梁を成す「燃エンウッド®」のカットサンプル。荷重を支持する中央の集成材をモルタルの燃え止まり層が囲み、その外部に燃え代層があります。大阪木材仲買開館には100㎥を超える木材が利用されていますが、この燃エンウッドがそれを可能にしています。

171030-大阪木材仲買会館12

連夜の懇親会が祟ってか、実はこの日は朝から体調が頗る悪く、大阪木材仲買会館の見学終了までは何とか持ちこたえましたが、その後バスでダウンしていました。この後、遠征のお楽しみがあったはずですが、お伝えすることができません。悪しからず。

中島 大地

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都市の木質化連続講座第3回 木の科学

2017年9月9日(土) 〇  

名古屋大学農学部の佐々木教授と山﨑准教授が主催する都市の木質化連続講座の第3回に参加しました。第1回が豊田森林組合で「森のいま」第2回は名古屋大学農学部で「木の工学」、そして今回は木の科学。参加者は林業関係者、ゼネコン、地域工務店、学生さんと多岐に渡り、総勢50名を超える大きな講座でした。

講座は二部構成で、第一部は4種類の実験。①乾燥による木材の変形、②木材の含水率と乾燥割れ、③樹幹内の強度の分布、④集成材の設計。第二部は佐々木教授による座学。木材のヤング率、含水率、乾燥収縮等、木造建築業界に身を置く私には馴染みのある内容が多かったんですが、こうやって体系的に網羅されることでより理解が深まります。

170909-都市木連続講座第3回 (1)

170909-都市木連続講座第3回 (2)

170909-都市木連続講座第3回 (3)

次回はいよいよ10月28日にポートメッセなごやで開催される第2回IWCC&F(International Woodism-City Conference & Festival)。昨年の第1回に引き続き中島工務店もブース出展します。

中島 大地

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都市木講座第2回 木の工学

2017年6月26日(日) 〇  

昨日の話。Woodism等でお世話になっている名古屋大学農学部の佐々木教授と山﨑准教授が主催する都市の木質化連続講座の第2回、名古屋大学農学部で開催された木の工学~Timber Engineering~を受講しました。森林の成り立ちや森林施業を学んだ第1回に続き、今回は建築用材としての木の強度に関して座学と実験を通じて学びました。

170624-都市木連続講座第2回 (1)

まずは目視検査。節の大きさや数の測定、繊維走向の傾斜比の測定、そして平均年輪幅の測定による等級の算定。詳細な基準があります。

170624-都市木連続講座第2回 (2)

続いて応力波法で固有振動数の測定。金槌とマイクとフリーソフトでできる比較的手軽な検査です。

170624-都市木連続講座第2回 (4)

縦振動法で伝播時間の測定。既存建物でも測定できる対応力のある測定方法です。

170624-都市木連続講座第2回 (5)

そして最後に曲げ試験。得た数値を公式に当てはめてヤング率と曲げ強度を算定します。

170624-都市木連続講座第2回 (6)

木材の"川上から川下"を総じて学ぶこの都市木講座の中で、この第2回はまさに私の専門の建築に関する部分でした。木を建築用材として使う本来はこれだけの根拠が求められているにも関わらず、私の接してる部分は実に限定的なんだと実感しました。まだまだ学ぶことが"山"ほどあります。

中島 大地

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都市木講座第1回 森のいま

2017年5月13日(土)  

Woodism等でお世話になっている名古屋大学農学部の佐々木教授と山﨑准教授が主催する都市の木質化連続講座の第1回森のいま~Forest Now~に参加しました。会場は豊田森林組合の最近完成したという素晴らしい施設です。

170513-都市木講座第1回01

講座は座学とフィールドワーク体験の二本立てでした。座学では、名古屋大学の近藤先生と山本先生による国産木材の歴史と現在の利用状況を学びました。日本はフィンランドに次ぐ世界第2位の森林大国であるにも関わらず木材自給率が3割にも満たないという皮肉な現実を再認識し、国産木材による住宅づくりに尽力することを改めて誓いました。

170513-都市木講座第1回02

続いて豊田市の森づくりの取り組みを拝聴しました。豊田市は2000年の東海豪雨による矢作川氾濫危機以来、森づくりにとても力を入れています。中津川市のそれとは文字通り桁違いの林業費には驚きましたが、それ以上に市政と森林組合が立場の違いを越えてしっかりとタッグを組み、中・長期の森林施業計画を着実に進めている印象を持ちました。

170513-都市木講座第1回04

豊田森林組合の森づくりの中で特に注目したのが団地化推進プロジェクトです。"森林の団地化"は国が推し進める森林集約化施業の方法で、複数の所有者の森林を"団地"としてまとめることで施業効率を向上させます。豊田森林組合では10年程前に20年計画で30,000ヘクタールを団地化するプロジェクトを立ち上げ、10年が経過した現在約9,000ヘクタールの団地化を終えているそうです。

170513-都市木講座第1回03

お恥ずかしながら私は"団地化"自体を知りませんでしたが、「加子母では?」と思い、講座の後にいつもお世話になっている加子母森林組合の安江さんに尋ねてみました。すると豊田のそれとは規模は違えど加子母の森林もすでに団地化しているとのことでした。「完結型林業」の一部を成す加子母の住宅建築に携わり、"木造建築の川上から川下"を語る者が、これほど加子母の森林事情の知識が乏しいのかと激烈に反省しました。全7回の都市木講座は、林産業における私の断片的な知識の穴を気付かせてくれる良いきっかけになりそうです。

中島 大地

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IWCC&Fを終えて

2016年12月5日(月) 〇  

12月1日に韓国入りし、2日・3日で開催した2016 International Woodism-city & Festivalを無事終え(4日はオプションの仁川市ツアー)、本日帰国しました。5日間に渡る出張のしわ寄せを優しく受け止めて下さった関係者の皆さんには心より感謝申し上げます。明日から通常勤務に戻りたいと思います。

161205-IWCCFを終えて

さて、今回のIWCC&Fで感じたことをまとめておきたいと思います。

まずは中島工務店の出展に関して。今回が1回目のIWCC&Fがどんな会になり、どんな方々が来場するのかなどあまり具体的に想像できておらず、ブースの展示物や資料には改善の余地が多分にありました。唯一具体的に期待していた韓国の工務店とのマッチングは、大統領機密漏洩問題の影響もあってか韓国側の出展工務店はポスター展示のみとなり、来場者の中でも工務店関係者はほんの数人だったのが実に残念でした。

次に、韓国におけるビジネスチャンスに関して。中島工務店のブースを訪れた韓国木構造技術人協会の金憲中(キム・ハンチュン)会長より直々に頂いたアドバイスが本当に具体的で有益でした。韓国の木造建築は、洋風の設えのツーバイフォーか、国が推し進める伝統的な韓屋(ハンオク)がほとんどで、日本人が慣れ親しんでいる木造軸組構法が、ましてや中島工務店が大切にしている真壁づくりが受け入れらることは中々難しいそうです。又、10月の日韓交流会議in韓国で見た通り、韓国の森林には尺角もあろうかという韓屋の柱が取れるほどの径の松がすでに備蓄されていて、日本に木材のみを求めるというよりは加工技術を求める上で木材が付いて来るといった感じだと思います。いずれにせよ、アメリカ・カナダ・ロシア等との価格競争も覚悟しなければなりません。木材の需要があるとすれば、韓国ではその香りが子供の発育に良いとされているヒノキの板材でしょうか。

もちろん収穫もありました。名古屋大学の佐々木教授による都市の木質化プロジェクト、日本文理大学の井上教授の「中・大型木造建築」のお話、錦二丁目(長者町)の滝会長らの町興しのお話いは心に残りました。Woodismという共通項を持つ出展者やスタッフの皆さんと知り合うことができたのも大きな収穫です。

最後に、イベントの企画・運営に関して。石橋を叩きすぎるほど慎重な日本人と、行動力やパワーのある韓国人との文化・風習・気性の違いから来る企画・運営におけるアプローチの違いを垣間見ました。もちろん出展者の一人に過ぎない私が感じたのはほんの一部でしかなくコア・メンバーの本当の苦労は計り知れません。日本と韓国の主催者の皆さん、そしてリエゾンのとして活躍した学生の皆さん、本当にお疲れさまでした。

さて、第2回IWCC&Fは来年10月に日本で開催する予定です。会場はポートメッセなごやで開催される木工機械展の会場の一角です。早速次回への構想や検討が始まっているようです。

中島 大地

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1974年9月20日生まれ
寅年・乙女座・O型

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