2016年2月22日(月)
「養老の家」では、3月末のお引き渡しに向けて順調に仕上げ工程が進んでいます。私もこの所仕上げ材等の最終確認・最終決定のため現場に足を運ぶことが多く、日々出来上がっていく様を見るのがとても楽しみです。
先日
外部足場が撤去され、その完成形が姿を現した銅板一文字葺きの庇屋根。よく見ると微かにふくらみがあります。これは
「起(むく)り」と呼ばれる技術で、数寄屋や茶室の建築でよく目にします。ちなみに逆の形状を「そり」と呼びます。
「養老の家」のむくりは、屋根を形作る垂木の上端を丸く削って創りました。物によってむくりの程度は様々ですが、大きくむくらせる場合は垂木をしならせたり、元々曲った垂木を使うこともあります。「養老の家」のむくり屋根の程度は
加納棟梁にご指南頂き決定しました。これ見よがしではなく、日本建築ならではの繊細さを表現できたと思います。"違いが分かる男"(もちろん女性も)の心をくすぐる、隠れたテマヒマです。
中島 大地
02月22日(月)23時59分|養老の家
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2016年2月18日(木)
昨年6月に着工し工事も9ヵ月目に突入した
「養老の家」では、いよいよ仕上げ工程が佳境を迎えています。
「中島とつくる家」を飾る部材としてここ数年改良してきた
オリジナル手摺の出番です。
元々は断面が長方形の桧を採用して、握る部分を抉(えぐ)っていましたが、できるだけ抉りを深くするために中央部分に広葉樹を用いてツーピースとしました。検討段階では、桧とは違った濃い色合いの広葉樹であるモアビを挟んでいましたが、「折角ならば国産材で」と天からのお声を頂き、ケヤキを採用することにしました。社寺建築では柱や虹梁(こうりょう)等にケヤキを採用する場合が多く、その端材を安定的に提供してもらっています。
桧の手触りとケヤキの強さ、そして異なった2色を組み合わせたオリジナル手摺、愛称は
「D-rail」です。是非ともお見知りおきを。
中島 大地 〇
02月18日(木)00時00分|養老の家
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2016年2月8日(月)
先日
外部仮設足場が撤去されその姿を現した
「養老の家」では、内外共に仕上げ工事がテンポ良く進んでいます。少しずつ完成形が分かる部分が増えていますので、ちょっとだけご覧に入れたいと思います。
越屋根
数寄屋門の屋根
数寄屋門の木鼻の彫刻
リビングの大谷石の壁
和室の床柱
仏間の天井板
飾り窓と現場監督マサオ君
今回はこのぐらいに。次回をご期待下さい。
中島 大地 〇
02月08日(月)00時00分|養老の家
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2016年1月28日(木)
3月末の完成に向けて
外構工事が始まった
「養老の家」では、先週仮設足場を撤去し、待ちに待った外観がお目見えしました。東西に長い建物はカメラフレームに収まりませんでした。部分的な写真はこれから小出しで紹介したいと思います。
外観の印象を左右する外壁の色も落ち着いていて、和風の趣によく合っています。車で通り掛かる人がスピードを落として建物を眺めて行くのを見ると嬉しくなります。建築人冥利に尽きます。
中島 大地
01月28日(木)17時23分|養老の家
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2016年1月21日(木)
いよいよ仕上げ段階に差し掛かった
「養老の家」では、3月末の竣工に向けて外構工事が順次始まっています。その魁が
数寄屋門です。加納棟梁の全面監修の下昨年末
きざみと
建て方を終え、総桧造りの雄姿がお目見えしました。先週石工事が完了し、引き続き屋根の銅板一文字葺き、そして瓦工事へと進んで行きます。
私達の想いの詰まった数寄屋門の想いの一つが屋根の細工です。破風の形から分かるように緩やかな"むくり"をつけて優雅で遊び心のある佇まいを目指しました。屋根を二重に構成し、むくりを付けた上段は存在感ある3.8寸勾配、野地板の下段はゆったりと3寸勾配として変化を付けました。更に、上段を銅板葺きの袖部分でなだらかに湾曲させる
「箕甲」(みのこう)で納め、繊細さを体現しました。銅板職人の腕の見せ所でもあります。
本体工事では、昨日外部足場が撤去されいよいよ「養老の家」がそのヴェールを脱ぎました。そちらの状況は次の機会にご紹介したいと思います。
中島 大地 〇
01月21日(木)00時00分|養老の家
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